校長室より ~ 第20代校長 矢 橋 佳 之 ~


「知らない私と出会う坂」

校長 矢 橋 佳 之 

 本校へと続く坂道は、楽な道ではないかもしれません。
 ですが、この坂を登りきると、眼下にはすばらしい景色が待っています。

 この坂を登る日々は、高校生活そのものかもしれません。毎日変わらない日常をなんとなく過ごすのではなく、意思をもって挑戦する日々を送ることで、今まで見えていなかった自分に気付くことができるようになります。

 本校では、この坂を「知らない私に出会う坂」と名付けました。

 ただ通うための道ではなく、自分の変化に出会う場所として、この三年間を過ごしてほしいと考えています。

 これまで本校は、地域の中で「しっかり学ぶ学校」としての歩みを重ねてきました。

 その土台はこれからも大切にしながら、いま新たに、一人ひとりが自分の可能性を広げていくための体験を充実させようとしています。

 放課後には、地域で活躍する方々から話を聞く「放課後とううんゼミ」を通して、自分のこれからの生き方に向き合う時間があります。

 一方で、「ていね盛り上げ隊」の活動では、実際に地域に関わりながら、自分の考えを形にしていこうとする挑戦も生まれています。

 そうした経験を通して、生徒たちは少しずつ、自分自身に問いを持ち始めています。

「自分はこれから、どんなふうに生きていきたいのか」

 正解のない問いに立ち向かおうとする姿が、確かに増えてきました。

 私たち教職員もまた、その変化を支える存在でありたいと考えています。

 これまでの関わり方を見つめ直しながら、生徒の挑戦を後押しする学校へと、少しずつ歩みを進めているところです。文部科学省「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の研究指定(3年目)による、ICTを活用した文理横断的な探究的な学びの充実もその一歩です。

 まだ道半ばです。

 試行錯誤の中にあり、すべてが整っているわけではありません。

 それでも、この坂を登る三年間の中で、生徒が自分でも知らなかった自分に出会っていく。

 その実感を、確かなものにしていきます。

 この坂の先にあるのは、ゴールではなく、新しい自分との出会いです。

 その三年間を、本校で確かなものにしていきます。